あらすじ
セリフ
사람도 꽃처럼 다시 돌아오면 얼마나 좋을까
チャンシルが引っ越した家の大家さんは一人娘を先立たれ、今はひとり身である。それ故に、ハングルもろくに読む事ができず、今になって、ハングルを習いに通っている。
チャンシルと仲良くなった大家さんはチャンシルにハングルを教えてもらい、宿題の手伝いもしてもらうようになる。
ある日、ハングル教室でかなり難しい宿題が出るが、それは……なんと、詩を書く事である。
いつ死んでも可笑しくない年になったおばあさんは初めての詩に苦戦するものの、やっと完成させるのである。
사람도 꽃처럼 다시 돌아오면 얼마나 좋을까(サラムど コっチョロム ダシ ドラオミョン オルマナ チョウルカ)
映画の字幕では「人も花のように元気になれたら」どんなにいいんだろうと訳していたが、個人的には「人も花のように戻ることができたら」どんなにいいんだろうと訳したい。
大家さんは庭から持ってきた枯れつつの花が生と死の境から生に戻っ花を咲かせたように、自分の娘さんが、花のようにあの世からこの世に戻ってくれればどんなにうれしいんだろうかと自問自答するか、叶わない事も既に知っている。
大家さんが書いたその詩を読んでチャンシルの心が揺れる。映画がすべてだった彼女は今自分がどう生きていけばいいのかが分からなくなっていたのである。その末、彼女は映画を捨てようと、大事に持ってきた本をすべて片付けて、破れてしまった淡い恋心と一緒にゴミ出しするところだった。
大家さんの詩で思い切って泣いた彼女は破れてしまった淡い恋も映画も取り戻そうと決心する。そう考えると大家さんの書いた詩の花は「チャンシルも花のように元気になれたら」とチャンシルに対する大家さんの気配りだったかもしれない。
満月の日、チャンシルの願い。その願いは…。
観想
ストーリーは静かに流れる。セリフも極めてシンプル。1があって2があった3があるのでない。ただ1か2か3かがある。粗末な説明なんかいらないのだ。
作品の中には死も幽霊もでき来るのに、なぜか、静かである。幽霊を幽霊のまま接するチャンシルに「遠く宇宙からでもあなたを応援します」と自称レスリー・チャン。チャンシルが好きだった俳優さんがレスリー・チャンであり、その後、いきなり登場する彼はひょっとするとチャンシルの中で作られた味方かもしれない。彼によってチャンシルは自分にとって大事なのは何かを徐々に気づいていくのである。
ただ、ラストシーンではレスリー・チャンよりはフレディ・マーキュリーに似ているが……。
チャンシルは「東京物語」が好きで一番好きな監督も小津安二郎さんである。「東京物語」は観てないが、「チャンシルさんには福が多いね」の流れは「東京物語」の流れに似ている気がする。
大家さんを演じるユン・ヨジョンさんの演技は娘さんへの思い出を抱えながら、1人で年を取っていく寂しさ、悲しさと主に、今を一生懸命生きていくその姿がよく伝わる。枯れた花を見つめる心……ハングルを丁寧に書く姿……もやしのひげ根を取りながらチャンシルに心を許す姿……彼女がいるだけで映画の奥まで観る人に伝わるような感じ……なぜかホッとする。
福には大当たりもあれば外れもある。チャンシルにもそうだったかもしれない。でも大当たりの福一つより、些細な福が多いほど、人は幸せになるのでは。チャンシルも幸せになれる福をたくさん持っている。まだ彼女は気づいてないかもしれないが……。
予告編
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